先日のスリランカ展のついでに。
スリランカといえば、インド人に絶大なる人気を誇る『ラーマーヤナ』の話を思い出します。猿の神様・ハヌマーンが魔王・ラーヴァナに連れ去られたラーマ王の妻シータを連れ戻すために活躍するという有名なお話です。それについては、ラーマ・セートゥ(Rāma Setu)とも関係してきます。
ラーマ・セートゥとは、シータを救うためにラーマが、インドとスリランカの間に架けたとされる橋のこと。アダムス・ブリッジ*1とも言われてるようですが。
以前その橋がNASAの衛星写真で写されて出回ってましたね。インド政府がそれは自然に出来たものだとして、それを破壊して運河を建設しようとしたところ、それを実際にラーマが建てたものだと信ずるヒンドゥー教の人びとが反対し、裁判になったというもの。裁判は未だ係争中らしいですが…。
それに、ハヌマーンがラーマの弟の怪我を治すために、ハーブをヒマラヤに採りにいき、面倒だから山ごと運んだという有名な話。そして、その山が、現在クリケットでも有名なスリランカ・ガレ近くに現存するというのも面白いです。なんでも、スリランカには本来存在しないはずのハーブがそこに集中してあるんだとか。インド人からチラッと聞いた話によれば、その不老不死のハーブはसंजीवनी(sanjivani)と言われてるんだとか…。
ま、その辺、興味は尽きませんが、先日のスリランカ展の黄金の貝葉・二万五千頌般若の断簡ですが、私は今日教えていただくまで知らなかったのですが、「二万五千頌般若」と同定されたのは佛大の松田先生とドイツの研究者の方だったのだそうです。黄金の板で作られた二万五千頌という分量の般若経ですから、決して個人や一寺院が作ったものではなく、国家事業として作成されたものだろうということで、それが作られた時代(後期アヌラーダプラ時代?)、スリランカは紛れも無く大乗仏教の国であったと推察できるそうですね。その黄金の貝葉は七葉現存しているようですが、その七葉からそこまでのことが読み取れるのだそうで、中々すごいことだと思いませんか?スリランカといえば、現在は上座部の仏教ですが、過去にはそれなりにいろいろあったのでしょうね…。
スリランカといえば、もう一つ(笑)。
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