古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

翻訳名義大集

最近、個人的に『翻訳名義大集』とか余裕があれば買おうかなと思ったりしますが、偶々仕事場にあるこちらの本は東洋文庫から1989年に出ました『新訂翻訳名義大集』です。

A New Critical edition of the Mahavyupatti : Sanskrit-Tibetan-Mongolian Dictionary of Buddhist terminology(Studia Tibetica 16:Materials for Tibetan-Mongolian Dictionaries)

f:id:furuhon-ya:20080530174347p:image:left:w100古書市場ではあまり見かけないものですね…。

一般に広く流布している榊亮三郎の翻訳名義大集asin:465303561Xは、限られたテキストのみ参照して、校訂作業が十分でなく誤植が結構あるようですが、この校訂版は、榊本と荻原雲来の『仏教辞典―翻訳名義大集 梵漢対訳 (1959年)』以外にも、デルゲ版をはじめとした4種のチベット大蔵経のものと、モンゴル語大蔵経のものを参照した上での校訂テキストになるようです。

ただ、榊亮三郎本にあるような索引がついてないのと、漢訳が載ってないところは惜しまれるところでしょうか…。

ただ、こちらによれば、後に新しい校訂版が出るということなんでしょうね。