法然とキルケゴール,実存
キルケゴールのレポートは8割ほど終わる。あとは、『あれか、これか』に目を通して、もう少し整えなければ…という感じでしょうか。結局、テキストの『実存的宗教論の研究』は、ティリッヒ等関連がない部分を除いて大体読み通す。この本の著者であり科目担当の藤本先生によれば、法然とキルケゴールの間には、宗教的実存という視点でかなり共通項がある、ということらしいです。一方では、三学非器の凡夫を自覚し、他方では、神の前に絶望し罪を自覚する。「阿弥陀仏―凡夫」、「神―単独者」という絶対的差異構造の中、実存における主体の内面に注目して「念仏」や「絶対的自己」を「選択」していくというところもそうした共通項の一つ。
法然とキルケゴール、両者は生まれた時代も地域も異なり、交流も皆無ですが、現実を捨象する観念的仏教やヘーゲル流哲学に対抗して、実存に注目した宗教家として、かなりの部分で重なりあっているようですね。浄土教とキリスト教というのは、どちらも神と人間、無限と有限といった二極構造を持っている点で、似通ってるというのはあるのかもしれませんが…。
というわけで、次は法然の実存的思想についてレポートをまとめる予定。11月には提出したいところ。年内にすべてのレポートを終わらせて、早く修論に取り掛かりたいですねぇ。前回発表した前半部分まではある程度見通しをつけてるのですが、後半はこれからなんですよねぇ…。大丈夫なのか?
いずれにせよ、これから以下の本でも読んでみたいです。NHKこころの時代は前に買ってちょっと見ていたのですが。
あとついでに、こちらの本も気になる。
- 作者: 井上洋治
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本書の著者は、遠藤周作とも交友関係を持っていたキリスト教の司祭さんで、法然とイエスの共通点を探るという感じみたいですね。