先日、たまたまこちらの本を入手しまして、ぱらぱらっと読んでみました。
日本の神社の成り立ちに深く関わっているといわれている新羅神社は、渡来人である彼らが移り住んできたところに彼らの祖先を祀ったもので、全国各地に点在していまして、本書はそれらを訪ね歩いた紀行文になっています。
実は先日、仕事で近江に行ったついでに、近江でもっとも古い神社であり、全国各地にある白髭神社の総本山を訪ねてみました。
もともとは比良明神といわれていたらしく、その比良(ヒラ)というのは新羅(シラ)の転化であるといわれてます。そしてそれが白髭になり、そこから比良明神が白髭の老人に化現したという伝承にも繋がっていくようです。
白髭の他に、新羅を表わす名称は白木、白城、白石、白鬼・・・など様々に変化しているようです。その多くが近くには鉱産物の産地があり、彼らがそれを求めて移動したという説も興味深いのですが、もともとの新羅の成り立ちというのも、よりいっそう興味深いんですよねぇ。
この本によれば、6世紀初頭以前の新羅は、隣国の高句麗や百済とは違って、中国との国交をほとんど持たずに、独自にローマ世界と交流を持って西洋の文化を取り入れていたといいます。本書で紹介されている、6世紀以前の古墳から出土しているローマングラス、装身具、冠帽が何よりもそれを物語っていてかなり衝撃的です。
神社の成り立ちに関係している新羅、そして、その背後にあるローマ文化。なんか話が壮大になってきて、頭がクラクラとしてきます(笑)。