2月の読書
世界哲学史シリーズ、楽しみにしています。2巻目まで読みました。
1巻目。個人的には、やはり『ミリンダ王の問い』ですね。ギリシア王メナンドロスと仏教僧ナーガセーナ長老の問答。現存しているのは仏教経典としてのテキストで、その関係でメナンドロス王は仏教に感服して帰依したことになってます。しかし、原典はギリシア人がギリシア語で書いたと言われており、だとしたら、内容的にどうなっていたのか⁈気になるところではありますね。
世界哲学とか比較思想って、あまりに壮大すぎて、それぞれの分野の研究者からの評判ってあんまりよろしくないというのが一般的だと思いますが、そういう中でこうした試みを新書で出すあたり、すごいことだと思いますし、今後もこうした動きが活発になってほしいと思ってます。個人的にはこういうのは興味を持ってるんで。
2月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1085
ナイス数:1
世界哲学史1 (ちくま新書)の感想
ヤスパースの枢軸時代、それぞれの地域で共時的に哲学的な営為が起こったというのは非常に興味深いところ。本書は、そのヤスパースも構想していた「世界哲学」という壮大な構想を、各地域ごとにそれぞれの専門家が概説するというもので、第1巻の本書は人間の生命原理としての「魂」について各地域ごとに解説されているように思われる。それにしても、ギリシアとインドが出会ったという『ミリンダ王の問い』、原典はギリシア語だったらしいというのが非常に興味深いところ。
読了日:02月25日 著者:
ミリンダ王―仏教に帰依したギリシャ人 (Century Books―人と思想)の感想
ギリシア哲学VSインド仏教という、注目の東西両思想の対決を今に伝える『ミリンダ王の問い』。テキストとしては、漢訳『那千比丘経』とパーリ語『ミリンダ・パンハ』の二つが現代に伝わっているが、その原典は仏教に帰依したとされるギリシア人の間で、ギリシア語で書かれていたという。無我論と業果の主体、または輪廻の主体という問題について、両者の問答が展開されるが、両者の間で本当に議論はかみ合ったのか?問答は何語で行っていたのか?いろいろ興味深い点が多いと思う。
読了日:02月25日 著者:森 祖道,浪花 宣明
哲学初歩 (岩波現代文庫)の感想
どうしたら”よい”生活ができるか?それは富や権力、名誉…など、”よい”とされるものを所有することではなく、それらを(智によって)いかに活かし、正しく用いるかである。そうした智を愛し求めるのが哲学の原点だというのを教えられた。名著でしょう。
読了日:02月26日 著者:田中 美知太郎
時間がない人が学び続けるための知的インプット術 (ディスカヴァー携書)の感想
5分でも10分でも何もしない無駄な時間を作らないという隙間時間の勉強法とその活用の仕方というのは参考になった。まさに塵も積もれば山となるという時間の作り方は在野研究者にとっては非常に有益だ。本書の中で触れられている先人たちの勉強時間の確保の方法、たとえば宴会スルーの仕方とかも興味深かった。
読了日:02月29日 著者:三輪 裕範
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