古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

躓いたスタート

2021年スタートしていきなり躓いてます(苦笑)。私生活でいろいろとあり、1月はあまり進まなかったですね…。

 

それはさておき、写本の方ですが、ケンブリッジの写本2本が見れるようになりました。ケンブリッジの方は、ECサイトもしっかりと構築されていて、購入、決済からダウンロードまでスムーズで快適に利用できました。

 

1月に躓いたのは、写本の読解に時間がかかったのにも要因が…。ヴァリエーションに富んだものが多かったのと、それにも関連するのですが、これまで見過ごしていたような些細な点で、今になって気づいたことがあったからでした。例えば、ダンダ。偈頌によっては付いてたり、付いてなかったりということにふと気づく…。あと、半詩節に入る1本と詩節の終わりに入る2本の区別…そしてそれが入る位置が微妙にズレていたり…というのも写本によって結構マチマチなんですよね。

 

うーむ。それって結構重要なことなんじゃないか?と今更ながらに気づいて、改めて写本を読み返してみる(苦笑)。なんせ写本の数が数だけに、また一から読み直すのも気がひけますが、調べてみる価値はあるのかもしれません。今後は気に留めて読んでいこうと思ってます。

 

最近買った本としては、こちらの本を通勤電車用に。文字から世界史を見てみると…という視点が斬新か、と思います。

 

 

あと、以前からこちらの本は買いたいなと思ってますが、安くはないですし、オンライン上でみれてしまうので、まだ購入には踏み切ってません。

 

ま、普通は、オンラインで読めるのをわざわざ本では買わないですよね…⁉(笑)

2022年がスタート

目標としては、今年も昨年と同じなので、そこは省略します😅

今年博論を出せるか分かりませんが、ともかくやるだけです!

 

写本の方は今のところ17種を並行して見ながら読んでいってます。それだけあると、一日あたりせいぜい一、ニ偈くらいしか進みません😅それでもすんなり進めばいい方で、時には立ち止まって考えてしまうこともありますし、遅々としてなかなか進みません。

 

龍大のとL.チャンドラの印刷本のは、印字が不鮮明で読みにくいんですよねぇ…😅なので、時間がかかって困ってます。

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さて、こちらの改訂版が出ましたので、即購入しました。

初版も去年出ましたが、300部のみの出版だったそうで、すぐに入手不能となりました。こういうのはすぐ買わないとなくなってしまいます。文庫サイズということで最もコンパクトな文法書でしょうか。携帯用には最適かも。字が小さくて見づらいんですが…😅

 

今年は勝負の年なので、何とか結果が出るように頑張りたいと思います。

2021年を振り返って

今年の目標はこうでした。

furuhon-ya.hatenablog.jp

1の論文投稿については、まだ投稿はしてないのですが、その原案は出来たので、とりあえずは〇ということで😅

 

2の写本の解読についてはドイツとイギリスに複写を頼み、まだ全て揃ったわけではありませんが、とりあえずそれらに取り掛かることが出来たので、△という感じでしょうか。これは来年も継続で、来年には目処をつけないといけません。

 

3の日々の生活の中での研究時間の確保という点については、最低限のレベルはクリアしたかなという感じです。やはり仕事が忙しいと出来ないので、そこは仕方ないにしても、もう少し改善の余地はありそう。ま、今までのように長いブランクは発生しなかったので、そこは良かったと思います。なので△。

 

4の博論執筆については取り掛かれませんでしたので✖️。ですが、博論に組み入れる研究は少しは成果を上げたので、完全に✖️というわけでもなく、△に近いかと思います。

 

最後の5のモチベーションの確保というのはまあ出来たと思います。やはりお尻に火が付いた状況なんで😅この点は来年も維持して、研究が進展していくように精進していきたいと思います。来年、そしてその次?が勝負の年だと思っているので、何とかしたいと思ってます。

 

年末ということで、恒例の印仏研が届く。来年は東京外大のようです。

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発表、申し込めたら、申し込もうかなと思ってます…。

年末年始に読む本を買う

前から気になっていた本を買う。

 

まずはオングのこちら。

これは、前に下田先生の本とかで紹介されていた有名な本。口頭伝承されていた経典から書写経典に代わって大乗仏教が生まれたという説の根拠となっている研究で、これは読んでおかないとなぁと思って。

 

そして、こちらは以前邦訳を読んだのですが、今はなくなってしまったので、原著を購入してみました。

私が読んでる写本も、イギリス、ドイツ、フランス、日本と各国に所蔵されてはおりますが、もとの出所としてはたぶん一つのところから出たものと思われます。というわけで、その辺の事情についても知っておくべきか、と。邦訳は今や絶版。

 

類書で日本語で読めるのだとこちらがお薦めでしょうか。

 

あとはこちら。

これは前に読んだ梶山先生の本に触発されて未読だったので、読んでおかなくてはと思い購入。インドにあったギリシア人の国。もともとゾロアスター教の中心地であったところで、仏教を信仰するギリシア人。興味をそそられますよね…。

 

さて、ドイツの残りの写本はすべて複写を頼んでおきました。これでコンプリート!3か月くらいかかる予定なので、4月くらいに間に合えば…。

 

といっても博論は来年には間に合わないかも…。なかなか進まない状況に焦っても仕方ないとマイペースでやってます。ライフワークと割り切って楽しみながら。じっくりと腰を据えてやっていきますか。

実際に写本を読み進めて…

今までいろいろ写本のことを書いてきましたが、とりあえずドイツのネパール写本を読みはじめてます。東大写本についてはすでに3分の2くらいは読んでいるんですが、確認のためにそれも再読しながら。今回入手した8本*1ですが、うち1本は前半部は欠落しているため、7本です。それに龍大とL・チャンドラのとフランスの2本と併せて11本を東大写本6種と並行して読んでいく形になります。

 

実際に読んでみてどうなのか?といいますと、どれも近代の写本なんで文字としては読みやすい感じです。内容としては、細かい点で差異は多いのですが、これまでの読み方を覆すような異読はほとんどありません。ただ、ちょっと読んだだけでも、校訂本では見られてない写本が一様に校訂本とは違う用語を用いているのを見つけたり、やりがいはありそうです。よく見られるのは鼻音、歯擦音の混同で、それがヴァリエーションを多くしている要因になっているかと思います。

 

あと、結合文字とか判読が難しい場合、それぞれの写本での他の用例と比較してると時間はかかりますね。

 

さて、先日こちらの本を見つけました。

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40年も前に出た本ですが、この本に入っている「インド系文字の発展」は、日本語で読める入門編ということでは他にあまりないでしょうか。図典の類は新しく色々出てますが。

*1:10本入手したのですが、うち1本はタイトルは私が読んでる経典名ですが、分類はアーユルヴェーダってなっていて、内容もよく分からず、謎の経典です⁉そしてもう1つは番号を間違えて発注してしまいました😅

忘れていた写本 2

実はもう一つ、忘れてました。あまりにも沢山あるので😅

 

フランス国立図書館所蔵の写本二本です。これも校訂本では参照されてないもので、見なくてはいけないものです。

 

同写本はフィリオザのカタログに載っているものですが、たまたま同書が手元にあり、暇なときに見ていたら気が付いたという…。

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ドイツ、イギリスと来て、今度はフランスに照会か…

 

やれやれ(笑)、と思っていたら、こちらはオンラインで公開されてました!

 

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Manuscrits | Gallica

 

二つのうちの一方は完本ではないようですが、他方は私が見るべきところは揃っているようです。

 

本当に全部見れるのか、自分の手に負えるのか(笑)。なんだか不安になってきました。

 

忘れていた写本

早くも12月。今年も残すところ1か月を切りました。月日の経つのはあまりにも早い。ここのところ仕事が忙しく、研究の方はあまり進んでおりませんが、忙しい中でも研究のことは常に考えながら、日々過ごしています。正直、あまり余裕がないので😅

 

さて、ケンブリッジには、複写の申込と支払いを済ませました。3か月くらいかかるようです。それとは別に王立アジア協会所蔵の写本も1本あることを忘れてました。こちらは、校訂本で参照されているものですが、やはり見ないわけにはいかない...😅生憎、こちらもオンラインでは公開されておらず、また複写を頼まなければなりません。こうなったら、腹をくくってやるしかない😅

 

論文のアイデアはまだ練る必要がありそう。写本がこれまでの先行研究を裏付けてることが分かり、そうだとすると、そこから更に読み取れることはないか?他の文献も手広く調べる必要が出てきました。その辺をきちんと論じられれば、博論としてまとめられるんじゃないか、という感じになってまいりました。それによって、経典の成立状況の解明について少しでも寄与出来れば、と思います。

 

さて、先日書店に行って知ったのですが、立川先生の新刊が並んでいました。

 

 

買いたいけど、今はちょっと読めない😅