実際に写本を読み進めて…
今までいろいろ写本のことを書いてきましたが、とりあえずドイツのネパール写本を読みはじめてます。東大写本についてはすでに3分の2くらいは読んでいるんですが、確認のためにそれも再読しながら。今回入手した8本*1ですが、うち1本は前半部は欠落しているため、7本です。それに龍大とL・チャンドラのとフランスの2本と併せて11本を東大写本6種と並行して読んでいく形になります。
実際に読んでみてどうなのか?といいますと、どれも近代の写本なんで文字としては読みやすい感じです。内容としては、細かい点で差異は多いのですが、これまでの読み方を覆すような異読はほとんどありません。ただ、ちょっと読んだだけでも、校訂本では見られてない写本が一様に校訂本とは違う用語を用いているのを見つけたり、やりがいはありそうです。よく見られるのは鼻音、歯擦音の混同で、それがヴァリエーションを多くしている要因になっているかと思います。
あと、結合文字とか判読が難しい場合、それぞれの写本での他の用例と比較してると時間はかかりますね。
さて、先日こちらの本を見つけました。
40年も前に出た本ですが、この本に入っている「インド系文字の発展」は、日本語で読める入門編ということでは他にあまりないでしょうか。図典の類は新しく色々出てますが。