古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

2009-01-01から1年間の記事一覧

鳴沙余韻

先日京都で買ったものを含む仏教書を、明日アップする予定。実は買った本に明示されてなかった書込みや汚れ等があって、返品・値引等の事故処理があった関係で更新が今週に延びてしまいました。全集とかで書込みを見つけると、全部チェックするのに結構時間…

哲学としての仏教

発売されたばかりの本書を立ち読み。私も、仏教に興味を持ったのは実は哲学的な側面からだったのですが*1、今日の仏教学という学問は、文献学的な方法論が主流ですから、仏教と西洋哲学の対比とかよりは、どちらかというと思想史的な方向を取らざるをえませ…

ことわざで学ぶ仏教

通勤電車用に買ったこの本には、「一富士、二鷹、三茄子、四葬式、五雪隠」(笑)など、知らないことわざが多く載っていて、面白く読ませてもらう。 塵も積れば山となる、とか日常よく使うものも、もとを糾せば仏教に行き着くわけです*1。唯識なんかでも、外…

倶舍論とか

先日の京都の市会で買った本が今日店に届く。全集系ですと、曽我量深・安田理深とか、あとは水原堯榮(!!)、大山公淳とかいろいろと出てましたが、その中ではちょっとだけ落手(笑)。あとはプサンの仏訳・倶舎論とか。 L'Abhidharmakośa de Vasubandhu. Tr…

京都行

今日は朝から京都へ。前にも書きましたが、全古書連の特別市会の下見日です。昼過ぎに京都に到着し、地下鉄に乗って三つ目。京都の古書会館へは初めてでしたが、そういえば、以前この辺来たことあったな…とか考えつつ会場入り。 ともかく、仏教書を中心に入…

北京版

今日の午前中は図書館に行く。必要な論文を少々、それと北京版チベット大蔵経の『楞伽経』二種、その他『解深密経』などコピー。結局、これもサンスクリット同様、ローマナイズ(ワイリー方式)で入力しなければならないのか。といっても、こちらがメインと…

蔵梵辞典

昨日開幕した阿修羅展ですが、初日の午前中で早くも例のフィギュアは売り切れとのこと*1。やっぱりなぁ…(笑)。拙ブログにも「阿修羅展+フィギュア」等で検索されて来られた方が何人かおられるようですが、狙ってる方は多そうです。なんせ、あの海洋堂の原…

ツケを払わねば…

先週末は千葉県民の私にとっては知事選もあったり、買い物やら、携帯を変えたりやらで色々出歩く。知事選については事前に色々と盛り上がってましたが*1、予想通りの結果ではありました。しかし、成田―羽田間を10分で結ぶリニアモーターカーの実現を公約に掲…

これからが本番…

今日の午前中は本の買取等で渋谷方面へ。で、午後からは古書会館でしたが、どこへ行っても皆さんワンセグで観戦してましたねぇ…WBC。個人的にはああいう組み合わせにかなり疑問を持ってますが、ま、この際そんなことはいいでしょう。私も気になって仕事にな…

神々の沈黙

以前から人に薦められ、気になってはいたこの本。たまたま新入荷の山の中に入ってて、少しずつ読みはじめる。ほとんどの頁にびっしりと線引きがされてるけど、これじゃ売り物になりませんな…(笑)。 人類に意識が生じたのは、言語能力を持つようになった300…

唯心

先日、仕事場にある『華厳菩薩道の基礎的研究』という分厚い本の中から、「十地経における心識説の意義―ことに唯心をめぐって―」というところをコピーする。大変高価な本なんで、たまたま手元にある恵まれた状況のうちに、必要なところをコピーしてしまおう…

京都へ

といっても、佛大ではなく仕事の話。来月8日(水)、9日(木)と全古書連・大市*1が京都で開催されます。毎年、全国の古書店が一同に会する大きなオークションがありまして、2年に一度は東京で開催なんですが、今年は京都なんであります。今日社長から、京都…

本への書込み

昨日も書きましたが、最近はめっきり図書館を利用する生活。図書館といえば、先日、図書館から借りた本を返さない学生の卒業証書の保留というニュースを見ましたが、我らが佛大も同様の処置をとるようですね。卒業する前に借りたものは返してくれ、至極当然…

読書中

レポート最終試験も何とかなりそうで、これからボチボチと修論・計画書の手直しについて考えてみたいと思います。そのために、先行の諸論文を図書館に複写依頼し、いろいろ取り寄せて読書中です。母校・図書館に自分で行ってコピーすればいいんですが、ま、…

大拙・英訳 楞伽経

モチラル社新刊・再版ニュースで、鈴木大拙・英訳の楞伽経です。 Title: The Lankavatara Sutra A Mahayana Text (Tr. for the first time from the original Sanskrit)by Daisetz Teitaro Suzuki ISBN(Hardbound): 8120816552, 9788120816558ISBN (Paperbac…

ヨーガ

最近発売されたこちらですが、今日たまたま外出したついでに手にとって見て、買ってしまう。 ヨーガの思想 (講談社選書メチエ)作者: 山下博司出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/02/11メディア: 単行本購入: 1人 この商品を含むブログ (6件) を見る いやし…

古本査定

昨日春一番が吹き、同時に花粉も飛び出したようで、眼が痒くなってきました。今日の午前中は、都内某所の、ある先生のご自宅に本の買取の見積もりにお伺いする。精一杯の見積り額(笑)を提示させていただく。本の内容は、洋書と和書が半分ずつくらいでした…

原典主義とか

早速購入してみました。『般若心経』に関する“最新の研究成果”をふまえた…ということで、ナティエ氏の般若心経・偽経説についても触れられてます。そもそも、“偽経”という言葉には、唯一の固定的原典を正統とするというような含意があって、般若心経のように…

細かい事が気になる悪い癖で…

先日来書いていた仏教文化の最終試験、ほとんど終わっていたのですが、いろいろと読み漁ってるなかで、細かい事ですが気になる事が出てきまして、週末に最初から書き直す。右京さんではありませんが、細かい事が気になる私の悪い癖(笑)。日本人は抽象的思…

悩ましい…

定額給付金も支給される見通しで、何の本を買うか今から悩ましい状況になっておりますが(笑)、さてさて、気になる書籍をいくつか。まずは、ミヒャエル・ハーンというドイツの方の古典チベット語文法書。こちらは仏教学者が書かれた最近の(といっても10年…

ラスト

2年間受講したチベット語の講座も今週で終わります。通常、チベット語の仏典を読もうとする場合、梵文や漢文など対照できるのがあれば、意味を取っていくのは楽だと思いますが、チベット人が書いたチベット文のみというのはやはりそれなりに難しいんだな…と…

シンクレティズム

先日、ここでご紹介いただいた本、早速読んでみました。 儒教とは何か (中公新書)作者: 加地伸行出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1990/10メディア: 新書購入: 3人 クリック: 40回この商品を含むブログ (28件) を見る恥ずかしながら、儒教について大した…

また出直し…

先週末の土曜はお宮参りと記念撮影に行ってました。何でも、祈祷の最中に、赤ん坊が大きな声で泣き止まないならば、神前から退去してもらわなければならないと、事前に了承を迫られる(汗)。でも、まだ生後2ヶ月なんですし、子どもは泣くのが仕事なんでねぇ…

モーチュアリー・タブレット

先日来、新聞広告等にも結構載ってますこちらの本。詳細は出版社の方でご確認ください。 お位牌はどこから来たのか―日本仏教儀礼の解明作者: 多田孝正出版社/メーカー: 興山舎発売日: 2008/12メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見…

心を量る?

ちょっと間があいてしまいました。その間、書こう、書こうと思いつつも、気がつくと寝てしまい(笑)、なかなか更新ならずという感じでした。で、今日は古書会館。事前に洋書の哲学書が大量に出品されるという連絡がありましたが、確かにまとまって出ており…

楞伽経

先日、修論関係を進めなければ…ということを書きました。また、それよりだいぶ前にもちょっと気になるということを書きましたが、一応修論は『楞伽経』(Lankāvatāra-sūtra)にしようかなと、考えてます。卒論で『起信論』を取り上げたということもありまし…

日本国宝デジタル復元とGandhāran Art

こちらは、「デジタル復元」という言葉に釣られ通勤電車用に購入。東大寺の大仏、新薬師寺の伐折羅像、こんなんなりましたけど?って感じ(笑)。私はその筋には、門外漢ですけど、どうなんでしょ…。 日本の国宝、最初はこんな色だった (光文社新書)作者: 小…

仕事初め&佛大・公開講演会のお知らせ

正月休みもあっという間に終わり、昨日から仕事開始。といいましても、昨日はまだ店はお休みで、メールチェックと梱包作業のために店に寄って、夕方に銀座のデパート展の撤収作業のお手伝い。今日から店の営業開始です。さて、以前「佛大通信」と一緒に案内…

今年こそ

明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。年越しはTVを観ているようで、あんまり観ていないような、ダラ〜っとした感じで過ごしておりました。特にこれといって観たいのもなかったのですが、今年はTVよりも子ども優先で…。最近は…