古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

2008-01-01から1年間の記事一覧

スリランカといえば…

先日のスリランカ展のついでに。スリランカといえば、インド人に絶大なる人気を誇る『ラーマーヤナ』の話を思い出します。猿の神様・ハヌマーンが魔王・ラーヴァナに連れ去られたラーマ王の妻シータを連れ戻すために活躍するという有名なお話です。それにつ…

スリランカ展

携帯メールから失礼します。今日は上野の国立博物館で開催されているスリランカ展に行ってきました。日曜の午前中とはいえ、以前の薬師寺展の時に比べて結構空いていたので、ゆっくり見させていただきました。展示品は仏像や仏足石など彫刻物が中心でした。 …

大市下見とチベット語

今日は一新会・大市の下見だったため、午後から古書会館へ。L・チャンドラの『西蔵学文献史』(Materials for a History of Tibetan Literature)の臨川版とか、ヴィンテルニッツの『インド文献史』とか出てましたね。ヴィンテルニッツの日本語のは古本で結…

中世神道

相変わらず、中世の神仏習合のレポートをやってます。佐藤弘夫先生の本を飛ばし読みしつつ、末木文美士先生のにも手を出す。特にこちらはコンパクトにまとまってて重宝してます。 中世の神と仏 (日本史リブレット)作者: 末木文美士出版社/メーカー: 山川出版…

『法相二巻抄』の世界

唯識とは何か―『法相二巻抄』を読む作者: 横山紘一出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2005/05メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (3件) を見る こちらは、鎌倉時代の法相宗の僧・良遍が著わした『法相二巻抄』という唯識の入門書を解説したも…

本地垂迹

チベット関係のレポートもほぼ終わり、次は、日本中世の神仏のコスモロジーです。最近はこちらの本を読んでおりました。 アマテラスの変貌―中世神仏交渉史の視座作者: 佐藤弘夫出版社/メーカー: 法蔵館発売日: 2000/08メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 1…

ペチャ

先週の洋書会には、チベットの仏教経典(ペチャ)が出品されてました。買うのは私しかいない?(笑)という変な使命感もあったりして、落手。遅くなってしまったのですが、昨日、引き取りに車で古書会館へ行く。持ち帰ってから、内容を見てみますと、どうや…

科学と仏教の接点

昨日は駒場の方で、「科学と仏教の接点」という公開講座があったようですね。実は3日前くらいにそのことを知ったのですが(笑)、もともと昨日は予定があって、行くことは叶いませんでした。あるいは、要予約ということですので、私が知った時点で既に定員…

気になる新刊情報メモ

唯識文献研究作者: 袴谷憲昭出版社/メーカー: 大蔵出版発売日: 2008/09メディア: 単行本 クリック: 41回この商品を含むブログ (3件) を見る もうすぐ出るようです。本の内容は、出版社のページに載ってます。2001年に出た『唯識思想論考』asin:4804305491の…

2000年前のインドの食事

今日知ったのですが、近く出る本の情報です。 チャラカの食卓 2000年前のインド料理 伊藤武・著 出帆新社 税込価格(予価): \3,150 (本体 : \3,000 出版社の書籍情報によれば、2000年前に書かれたインドのアーユルヴェーダの本に記載されている料理…

スリランカ

9月17日から、東京の国立博物館でスリランカ展が開催されるにあたって、テイスト・オブ・スリランカというスリランカ料理のキャンペーンもやってるようです。いわゆる”インド料理”とは微妙に違うみたいです。私は以前ココナッツが結構入ったカレーを食べたこ…

モンゴルか…

今、チベットのレポートの続きをやっております。まだやってるのかという声が、どこからか聞こえてきそうですが(笑)、サムエの宗論とは別のゲルク派と清朝の問題について、です。しかし、チベットと清朝というのは、必然的にモンゴルの問題になってまいり…

綜麻繰り

今日、古書市場で本の仕分をしてるときに、本の中からお金が入った封筒が出てまいりました…(笑)。この業界では稀にある話ですが、ちょっと高額だったため驚く。もちろん、出品者の方へ連絡の上、全額お返しいたしました。私が発見したのではありませんが、…

インド細密画

インド細密画への招待 (PHP新書)作者: 浅原昌明出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2008/08/19メディア: 新書購入: 2人 クリック: 12回この商品を含むブログ (7件) を見る こちらは出たばかりで、今まで少なかったインド細密画の入門書。図版も豊富で、目で…

ジプシー,ロマニ語

最近インド人ネタが多くなっておりますが(笑)、ほぼ毎日会ってるものでして…。彼の長女ももう4歳になり、日本語もヒンディー語も両方できるようになり、すごいなぁと関心しております。保育園では日本語、家庭ではヒンディー&日本語と器用に使い分けてる…

再発見 日本の哲学

和辻哲郎 人格から間柄へ (再発見 日本の哲学)作者: 宮川敬之出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/07/29メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (6件) を見る 最近買いました。このシリーズは、分り易い好著だと思いまして、割りと買…

この時期はさすがに…

都内は車の交通量も少なくなり、電車の乗車率も休日モード。古書会館も今週はずっと休みでしたが、私の方は休まずに仕事しておりました。やはり人通りも少なめでしたね…。ただ、有り難いことに本の入荷は続いておりまして、整理しつつ仕事をかける日々。仏教…

オリンピック<クリケット

ここ数日プライベートでちょっとだけ忙しかったので、間が空いてしまいました。そんな訳で、オリンピックも開幕しておりますが、ネットでチェックする程度で、競技中継は全く見ておりません。というような話を、先日友人のインド人にしてみると、彼もどうや…

自灯明・法灯明

これもスクーリングで仕入れたネタ(笑)。大般涅槃経の自灯明・法灯明について。 ブッダ最後の旅―大パリニッバーナ経 (岩波文庫)作者: 中村元出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1980/06/16メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 28回この商品を含むブログ (27…

多田等観・チベット

スクーリングに行ったときに佛大内の書店で1割引で購入しました。7月下旬に多田等観のチベット (岩波新書 赤版 91)が増刷された模様。1942年版初版初刷の第4刷ですので、仮名遣いがちょっと古いですが、参考になります。これも最近出版ラッシュが続くチベッ…

パーリ語入門

スクーリングも終わり、8月となりました。8月といえば、例年通り、東方学院のパーリ語入門・集中講義と鎌倉夏期宗教講座が開催されます。パーリ語については、サンスクリットをマスターすれば独学でいいかなぁ‥などと個人的には思っておりますが、こういう機…

最終日・帰京

月曜・火曜と雨が降って、少し涼しくなってましたが、最終日の今日は猛暑の再来でした。京都を後にして品川に着いたのは8時過ぎ、帰宅したら9時になるところでした。月曜からの後半戦はカマラシーラの『修習次第』(Bhāvanākrama)の梵文講読でした。私は…

仏典リテラシー

昨日でスクーリング前半が終了しました。講義の最後に試験が行われ、学部のときのように、終わってからのレポートというのではないので、その分楽かもしれませんね。 さて、今回の講義で強く思ったのは、仏教って、古くて新しい問題が結構あるんだな、という…

二日目終了

やはり京都は暑いですね。クラクラします。昨日からやってますのは、スッタニパータの最古層とそれより新しい古層の双方から、具体的に「輪廻」や「ブッダ」という用語を全部洗い出して、それぞれ比較してみようということです。 古層の中には「ブッダ」とい…

初日終了

今日は休憩もほどほどに、一日中みっちり講義でした。終わってから図書館に行って、それからホテルへ戻ると、さすがに疲れも出ますねぇ。 今日の講義はスッタニパータの成立史から、最古層と古層の間の仏教史的発展についてお話いただく。具体的には「輪廻」…

京都へ

おはようございます。今日から一週間夏休みを取らせていただき、スクーリングで京都です。朝6時・品川発の新幹線に乗るには4時半に起床。京都に着いたら、急いで地下鉄へ。講義はスッタニパータとカマラシーラ、原始仏教と瑜伽行中観派という組み合わせで…