古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

2011-01-01から1年間の記事一覧

新版インド仏教史

今月末に、平川彰『インド仏教史』の新版が出るそうです。インド仏教史 上〈新版〉作者: 平川彰出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2011/08/31メディア: 単行本 クリック: 13回この商品を含むブログ (2件) を見る春秋社の案内を見ますと、新版は旧版よりページ…

葬式仏教の誕生

こちら、今日発売のようですが、私の周りの書店にはまだ並んでおりませぬ。葬式仏教の誕生?中世の仏教革命 (平凡社新書600)作者: 松尾剛次出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2011/08/11メディア: 新書購入: 3人 クリック: 23回この商品を含むブログ (8件) を見…

Sein und Zeit !

最近、こちらを読んでます。『存在と時間』といえば、記憶は殆どありませんが、10年以上前にちくま学芸文庫(細谷訳)を読んだことがあります。最近は入門書もかなり出てますし、そういうのを読んだ後だったからかもしれませんが、以前に比べ、何かすごく読…

全貌が…

ご無沙汰です…(笑)。しばらく凌ぎやすい気温が続きましたが、また蒸し暑さが戻ってきて、連日突然の豪雨がよく降ります。ここのところ、ちょっとだけ忙しくしておりました。7月に入ってから毎週火・水曜は一日中古書会館なんで、買取などの予定はそれ以外…

ハイデッガーと仏教

先日来、こちらの本を読んでました。とても読みやすかった。ハイデッガーの言う現存在あるいは存在というのは、この著者によれば、刹那滅の生死を繰り返す存在であり、その神秘を認識することこそが、本来的な時間を取り戻すことになるんだ、と。従来は、い…

東西の古代中世哲学

ここにも書きましたが、今週の洋書会には、古代中世哲学の一口ものの出品があり、私もその仕分け作業を手伝っておりました。アクィナスやドゥンス・スコトゥスなどスコラ哲学が主だったのですが、なかにはヘブライ語・アラビア語、インド仏教関係も混ざって…

そろそろ・・・

佛大の来年度の入学案内が出来たようなので、過去問とともに送っていただく。過去問については大体予想通り。というか、筆記試験よりも、むしろ自分の研究内容の方が重視されるんでしょうね。5月くらいから何かダラ〜っとした生活を送っておりますが、そろそ…

アメリカ仏教伝来史

古本業界は6月が年度末。今月から新年度になりまして、今期は二つの市会の運営サイドにかかわることになりました。今週はお休みですが、来週から本格的に始まります。その前に倉庫の整理をしてしまおうと思い、未整理本(特に洋書)を整理しておきました。そ…

起源を問うということ

出たばかりのこちら、早速買いました。『講座・大乗仏教』が出てから30年。その間に進展した仏教学の成果を反映した新たな大乗仏教研究シリーズ。旧版では第1巻「大乗仏教とは何か」1冊にまとめられていた内容を、新シリーズでは3巻にわたって、拡大されてま…

教科書の中の宗教

買いました。公正・中立であるはずの教科書の中で、知らず知らずのうちに、宗教間に優劣をつけて記述がなされていたり、何らかのバイアスがかかった記述があるという問題。それはなにも異なる宗教間だけではなく、例えば、日本は大乗仏教の国であるためか、…

「神道」の虚像と実像

「ふしぎなキリスト教」で沸騰中の講談社現代新書ですが、新たにこちらが発売されたようです。「神道」の虚像と実像 (講談社現代新書)作者: 井上寛司出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/06/17メディア: 新書購入: 1人 クリック: 39回この商品を含むブログ …

ムルギランチといえば…

もうすぐこちらが出るそうです。家庭で作る簡単レシピということで、買って作ってみたい。私も昔は玉ねぎが飴色になるまでじっくり炒めるないと…とか思ってやって、“本格インドカレー”(自称)を作るのをやめたクチですが…(笑)。 ナイルレストランが教える…

ドラヴィダ語か…

聞いた話なんですが、私が読んでるお経の偈頌品の偈ですが、あるインド人パンディットのお方によれば、サンスクリットとしてはおかしい部分が多く、むしろドラヴィダ語系言語をネイティヴとするデカン高原以南の人が作った可能性が高いのではないか…と。つま…

シリーズ 大乗仏教

な、なんと春秋社から『シリーズ 大乗仏教』全10巻が刊行されるそうです! 大乗仏教とは何か (シリーズ大乗仏教)作者: 高崎直道,桂紹隆,下田正弘,末木文美士,斎藤明出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2011/06/24メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 75回この…

Ancient Indian Alphabets

入荷したインド本の中に、古代インドの文字表シリーズというがありました。ポスターみたいな感じで、広げてみるとかなり大きいサイズ。 同じシリーズで中世も6つあります。 イメージとしては、小学校の教室に貼ってある九九の表なんですが(笑)、昔は、こう…

安藤礼二氏による西田哲学入門

ちょっと前から西田哲学の入門書を読みあさり、何かひっこみがつかなくなってしまったかのような気もいたしますが、その中でよかったもののご紹介。こちらは安藤礼二氏による「はじめての読者のための西田哲学入門」が収録され、また、檜垣立哉氏と小泉義之…

唯識 さとりの智慧

こちらはもう出てるんでしょうか?平成21年4月〜22年3月開催の「興福寺仏教文化講座」の書籍化だそうです。買う予定。唯識 さとりの智慧―『仏地経』を読む (新・興福寺仏教文化講座)作者: 長谷川岳史出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2011/05メディア: 単行本…

仏教書入荷してます・・・

今朝のNHK「小さな旅」は神保町でしたね。古書会館で取材していたのは知っていて、また神保町かぁ…という羨望の眼差しで見てましたが(笑)、個人的には、一誠堂さんの店の奥とか貴重な映像だと思いました!こういう機会でもないと、なかなか見れるものでは…

ふしぎなキリスト教

橋爪・大澤両氏の対談とくれば、買わねば!というわけで、出たばかりのこちらを購入。新書にしてはボリュームありますが。ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)作者: 橋爪大三郎,大澤真幸出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/05/18メディア: 新書購入: 9人 …

西田幾多郎の生命哲学と唯識

今週はいろいろあって、週末から週明けにかけてちょっと忙しく動いておりました。そんな中、相変らず、何の脈略もない読書を続けております^^;最近は西田哲学について興味が湧き、いくつか入門書を読み漁ってました。その中で、以前買ったこちらの本を書棚の…

梵暦

先日こちらの本をざっと読みました。江戸時代の後期、仏教的な宇宙観と最新の科学的知見をすり合わせ、両者を総合して、仏教天文学(=梵暦)を築いた、普門円通の業績に関する本です。仏教の宇宙観は須弥山世界ですが、これはいわばブッダの“天眼”によって…

目が痛い…

今こちらを見てるんですが、細かすぎて、目が悪くなりそう(笑)。対処法としては、1.拡大コピー、2.自分で入力しなおす、3.あきらめる、のいずれかなんですが、とりあえず、他の版との異同をチェックしてるのみなんで、1か3なわけですが…。

インド数学の発想

出たばかりのこちらを購入。世界のIT産業の中心となったインド。その背景には、3000年もの数理科学の伝統があり、その一端を紹介しようというのがこの本の狙い。インドの学問を担ってきたのはバラモン。8歳くらいで師匠に入門した子どもは、師が口で唱える…

新刊メモ

先日、村上専精の『仏教統一論』の新装・復刻版が出たようです。 まだ、amazonにも楽天にも情報があがってないので、詳細については出版社のこちらのページでご参照ください。村上専精については、『わが思索の道-近代日本の仏教者たち 上 (NHKシリーズ NHK…

読解、校訂

今年度受講の聴講生ですが、授業のスタートは5月の連休明けからです。先日その資料を受け取りに大学に行ったのですが、渡されたコピーの量にびっくり。梵文テキストはすでに持っているのですが、今年読むのはそのページ数にして約20ページ。それに漢訳と蔵訳…

聴講生

先日、こちらの大学に聴講生へ行ってきました。総定員20名という日本で一番小さな大学で、私が聴講させていただく講義も学生は私を入れて2名のみ!!先生とのマンツーマン講義にお邪魔しているという恰好で、この1年みっちり勉強させてもらえそうです。内容の…

スコイエン・コレクション展

タイ、バンコクで今年2月まで開催されていたスコイエン・コレクションの展覧会図録を先日入手しました。 The Traces of Gandhāran Buddhism : An Exhibition of Ancient Buddhist Manuscripts in the Schøyen Collection 内容の方は、下記の通りです。 Intro…

百科事典をつくれない国

先日、ある書店でこちらの松山俊太郎著『インドを語る』を見かけ、購入させていただく。1,500円也。絶版ということで、前から探してて読んでみたかった本です。早速、読んでみましたが、期待を裏切らず、面白いです!インドとは何か?というお題でなされた講…

空海からのおくりもの

以前から直々にご案内いただき、店の方にもポスターを貼らせていただいてますこちらですが、今日、あらたに別バージョンのポスターが出来たということで、またお届けにいらっしゃいました。高野山を下山するのが初めての資料が数多くやってくるとのこと。 会…

仏典入門講座

たまたま国際仏教学大学院大学のHPを見ましたら、今年度の仏典入門講座が『瑜伽論』「菩薩地」だということを知り、早速申し込んでおきました。詳しくはこちらをご参照ください。あと、同じ公開講座では、インド写本入門とかも出てみたいです。 『瑜伽師地論…